Web小説の書き方

Web小説向き文章の書き方

毎日頑張ってWeb小説を更新しているのに読んでもらえない、PV(閲覧数)が全く伸びない……。そんな悩みをお持ちではありませんか?

この記事ではWeb小説向きで、読者が読みやすい文章の書き方をご紹介します

小説家になろうやカクヨムにWeb小説を読みに来る読者の多くは、小難しい話を読みに来ているわけではありません。通勤通学の時間や、仕事の休憩時間などで気軽に読める物語を求めている方が大半です。

『レベル1の最強賢者』という作品を投稿し始めて最初の1か月は僅か7PVだった私が、文章を改稿し続けて読みやすさを改善し、累計7500万PVを超える作品にした文章の書き方をお伝えします。

 

読まれない文章

Web小説では下の例文にあるような書き方をすると、ほとんど読まれません。

 その男の手は憎悪を含んだ人の感情の如く強烈な朱殷に染まっていた。彼の足下には無残な骸が幾重にも積まれている。刹那、男の瞳孔が私を捕らえたように智覚した。憂虞であると思いたい。男と私は距離にして三粁、この遠眼鏡が無ければ芥子粒ほどにしか見えぬほど遠いのだ。

このような文を書いて小説家になりたい方もいるでしょうが、Web小説向きではありません。まず小説家になろうやカクヨムでは、ほぼ読まれません。

読者が求めていないからです。

ここで言う読者が求めていないというのは、多くの読者が求めていないという意味です。中には歴史小説や推理小説のような濃厚な作品を求める読者の方もいらっしゃいますが、全体の読者数から見たら少数です。

多くの読者に読みやすいと思っていただけない文章は、いくら書いても読まれません。

 

Web小説向きの文章とは

Web小説向きの文章というのは簡潔で文章のリズム感が良く意味を理解しやすい文章だと私は考えています。

以下で紹介する文章の書き方を意識することで、私はPV数を増やすことに成功しました。

もちろん一番大切なのは物語の内容ですが、それを読者に伝えるためにWeb小説向き文章を書ける技術も必要です。この記事を読んで文章の書き方を学び、日々のPVが増えて作品更新のためのモチベーションを維持できる作者さんが増えることを願っています。

 

文章のリズム感を良くするには

文章のリズム感を良くするために大切な4点をご紹介します。

一文の長さ

一文はできるだけ短くしましょう。とはいえ、10文字くらいの短文で書き続けるのも逆に読みづらくなってしまいます。

目安として一文は40文字以下が好ましいです。一文が60文字を超えてくると、読者にストレスを与えてしまいます。

短く、簡潔な文章を区切るコツは『一文にはひとつの意味だけを込める』ということです。

一文に複数の意味が込められた文章は読者の記憶に残りづらく、物語の理解度が低下します。結果として読者が読みづらいと感じてしまいます。

 

最初に書いた例文をWeb小説向けの文章に直してみます。

【元の文章】

その男の手は憎悪を含んだ人の感情の如く強烈な朱殷に染まっていた。

【修正後】

男の手は朱色に染まっていた。それはまるで、人の憎悪を形にしたかのような暗い色をしていた。

元の文章では「その男の手は」が、どこまでなのかが分かりにくくなっています。ふたつの文に分けたうえで句読点を追加し、文頭の指示詞を取りました。

また、朱殷(しゅあん)という一般ではあまり使われない単語は、分かりやすい朱色に変えています。難読漢字は使えると作家っぽくてかっこいいですが、多くの読者が読めない漢字は使うべきではありません。

 

文末表現

「~っていた」や「~だった」のように、文末で使われる表現について。

こちらは基本的に同じ文末表現を回以上連続で使わない方が良いです。同じ文末表現が連続すると、単調な印象を与えてしまうからです。

『一文の長さ』の所で修正した文章ですが、実はこちらまだ修正の余地があるので、下記のように修正しましょう。

【ダメな例】男の手は朱色に染まっていた。それはまるで、人の憎悪を形にしたかのような暗い色をしていた

【修正後】男の手は朱色に染まっていた。それはまるで、人の憎悪を形にしたかのような暗い色をしている

「~ていた」が続いていたので、2回目の方を「~ている」に変更しました。

ブログの文章などなら淡々と説明する感じで良いのですが、Web小説は読者が物語に没入できるようにする必要があります。

没入感を高めるため、簡潔だけど短調ではない文章にしなければなりません。

 

接続詞

「また」や「そして」、「しかし」などの接続詞は多用しすぎてはいけません

Web小説投稿サイトでは「そして」を多用している作者さんをよく見ます。ですが、1話の間に何度も接続詞が出てくると、読みにくいと感じてしまします。

前の事柄が原因となり、順当に結果が来る順接を表す「そして」は、Web小説1話(2千~3千文字)に1回か、多くても2回程度の使用頻度にしましょう。

逆接である「しかし」や「だが」は、場面の転換があるのであれば複数回使用もOKです。ただ1話の中に場面転換が多すぎるのも問題です。

 

書いていると接続詞を使いたくなるのが良く分かるのですが、読む側からすると違和感があります。

一度文章を書いたら、接続詞が適切に使われているかチェックして下さい。

繰り返しになりますが、「そして」の多用にご注意ください!!

 

漢字をひらく

小説では簡単な漢字でも、あえてひらがなで書く場合があります。これを「漢字をひらく」と言います。

小説家になろうに投稿されている『小説家になろう Hint&Tips』という作品が参考になります。作者は市太郎様です。

敢えて→あえて
辺り→あたり
余り→あまり

あ行から50音順になっているので、気になる単語を簡単に調べられます。

読みやすさ向上のため、ひらいたほうが読みやすいとされる漢字を一度ご確認ください。

 

1日に投稿される作品数

小説家になろうの場合、1日に更新される小説の数は約6000作品以上です。
※2022年12月12日の作品投稿数をカウントした結果

平日で6000作品です。土日は投稿や更新数が増える傾向があるので、1日の更新数は1万作品を超えるかもしれません。

そんな大量の作品の中から、貴方の作品を探してくれる読者がどれほどいるでしょうか?

既に紙の書籍を出しているプロの小説家などであれば、ファンの方が探して読みに来てくれる可能性はあります。しかし貴方がまだ何の実績もないWeb作家であれば、読者がわざわざ貴方の作品を読みに来てくれることはないでしょう。

重要なのは、新着欄に載った貴方の作品をたまたま見に来てくれた読者を惹きつけておくことです。その貴重な読者にブックマークを付けていただき、作品にポイントが入ることで他の読者が作品を見つける機会を増やすことができるのです。

 

まとめ

Web小説で読まれるために大事なのは簡潔でリズム感が良く、意味が理解しやすい文章を書くことです。

リズム感の良い文章にするには以下の4点を意識しましょう。

1.一文の長さは40文字以下にする

2.文末表現は連続させない

3.接続詞を多用しない

4.ひらく漢字を覚えよう!

ここに書いたことが完全に正解だとは限りません。全て実施すれば、人気が出て書籍化できる! なんてことは保証できません。
でも私はここに書いたことを実践し、閲覧数を伸ばすことに成功しました。

前述しましたが、一番大事なのは物語の内容です。

面白い物語を書いているのに、文章が読みづらいから読者が離れてしまうという残念な結果にならないよう、読みやすいWeb小説向きの文章の書き方を実践してみて下さい。

ではでは~。